私は、このご夫妻のことが大好きで、しかし、大好きだからこそ、とても心配に思うことがある。もし停電になったら、しかも真冬にでもあったら、どうなってしまうのだろう。今日のファンヒーターもレンジも床暖房も、電気なくしてはどれも動かない。私は、物置の奥にしまわれている石油ストーブと、ポータブルのカセットコンロとガスボンベはけっして処分しないように、携帯電話は充電池だけでなく、電池式のホルダーを買っておくよう促した。幸いにして、今年正月、コンピュータ二○○○年問題による大きなトラブルは起こらなかった。私は、多くの建て主や、このご夫妻のことを思ってホッと胸をなで下ろしている。世はまさに電脳時代、小さな子供たちまでがインターネット日常茶飯事、コンピュータ全盛の世の中である。住まいづくりの世界にも、電脳化が進んでいる。しかし、電脳は人の心と連動しているのだろうか。合理的なのはいい。快適なのは素晴らしい。でも、四季折々の自然の中に住んでいるだけで、自然の恩恵を受けることができるのに、なぜ、電気やコンピュータを使って、生活をコントロールしなくてはならないのだろうか?とも思う。